
住みやすい都市と強靭なインフラ
20分の街:都市生活の大胆な構想
より幸福で、よりエコな、より人に寄り添った街づくりを目指し、世界各地の都市当局では都市システムの根本的な見直しに関心を寄せています。その中で、モビリティはつねに主導的な役割を担うと考えられます。
ファスト・カンパニー誌に最近、パリ市長の「15分の街」構想についての記事が掲載されました。この構想とはフランスの首都・パリを「誰もが徒歩または自転車で15分以内に職場や家、学校をはじめとするあらゆる施設に行ける」街に変えるというものです。 取り組みが実施されれば、パリ市住民の生活の質向上に向けた後押しとなります。計画の主な立案者の一人であり、「スマート・シティ」を研究するカルロス・モレノ教授はこう述べています。「都市の構想を根本的に変えるべきです。これには気候変動や自動車による公害への対策という意味もありますが、生活の質の点でも同じくらい重要な意味があります」。
計画の中心テーマは、パリを自動車のないカーフリー都市に変えること。計画が実現されれば、多くのパリ市民を悩ませている二つの深刻な問題が軽減されると言われています。問題の一つは大気汚染です。自動車の通行が主な原因となって引き起こされるこの問題で、年間3,000人の命が奪われています。また、(出勤時の)移動で、多くの時間的損失も生じています。 同様の問題に直面する世界各国の都市も、次々とカーフリーに向けた都市改革に乗り出しています。
南ヨーロッパではバルセロナで今年初めに気候非常事態が宣言され、温室効果ガスの排出を2030年までに半減させるための幅広い対策が打ち出されました。バルセロナとパリの計画では論調に明らかな違いがあり、一方では気候非常事態が強調され、もう一方では生活の質が重視されています。にもかかわらず、たどりついた結論は両市で同じでした。その結論とは、道路を歩行者と自転車に明け渡し、公共交通機関を充実させ、住宅・教育・医療・仕事・買い物・社会生活のすべてを近所でまかなえるようにする必要がある、というものです。
CityLabにも、次のような内容の記事があります。「オレゴン州ポートランドには同様の『20分圏内の生活圏』構想がある。メルボルンでも、直近の基本計画でこれが公約とされた。バンクーバーでは、『Complete communities(すべてが揃ったコミュニティ)』に暮らす住民の割合を、2030年までに現在の45%から90%に上げることを目指している」
21世紀の都市機能は20世紀から引き継がれたものから急激に変化するかもしれない、という考え方がありますが、上記の例すべてで、この考えが示されているようです。長年にわたって議論されてきた考え方ですが、実践はつい最近始まったばかりです。もし都市機能が急激に変化するとしたら、15分の街で所有すべき、または共有可能なモビリティとはどのようなものでしょうか?
極めてコンパクトになった都市では、あらゆる形の個人所有は時代遅れのものとして徹底的に排除されるのでしょうか?地域・自治体・都市の各レベルでこうした動きをサポートするのは、どのようなデジタルインフラでしょうか?そしてその結果、都市で必要な移動距離が短くなり、頻繁な移動もそれほど必要でなくなると、物理的なモノの生産・購入・消費・廃棄の方法はどのように変わるのでしょうか?
地域における社会変革を体験したことはありますか?それはどんなものでしたか?モビリティ産業に適用できそうな同様の構想はありますか?
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