3 Plant and Carbon Battery Solutions that Could Replace Traditional EV Batteries
バッテリー技術

従来のEV電池を置き換える可能性をもつ3つの植物由来のEV電池ソリューション

電気自動車(EV)用電池の多くの構成要素は、希少かつ有害な物質を調達源としています。EV電池の材料を、鉱山ではなく農園から得ることができれば素晴らしいと思いませんか?ここで、いいお知らせがあります!

植物由来の電池の実現が近づいています!幾分ではありますが。世界中の研究者とスタートアップは、電池の必須構成材料作成のため、植物材料をどう使うか探求しており、飛躍的な進歩の兆しが見えつつあります。

今日、EVにヘンプの電池を搭載することはできないとは思いますが、それが現実となる日はみなさんが思っているより近いかもしれません。

リチウムイオン電池の問題点とは?

リチウムイオン電池は、エネルギー密度が高いことから広くEVに使用されています。また、効率、高温での性能もよく、一般に他の選択肢よりも好まれます。実際に素晴らしいです!リチウムイオン電池により、間違いなく化石燃料への依存に変化が起きています。

しかし、問題もあります。それは、ニッケル、マンガン、コバルトといった希少で有害な金属を多く使用していることです。EV市場では、これら希少金属の値段の爆発的な高騰も起きており、供給が不安定になってきています。

EV電池のリサイクルインフラの構築はすでに進行中ではありますが、現実的課題があります。まず、電池リサイクルの能力が限定的であることです。現在のインフラでは、第一世代のEV車両がその寿命を迎えるころに、処理能力が追い付かなくなってしまうでしょう。加えて、主要なリサイクル方法の一つである製錬は、あまり環境に優しい手段ではありません。

リサイクルはまた、希少、または有害な金属への依存問題に対する本当の解決にはなりません。持続不可能性を軽減しているだけで、持続不可能なことに変わりはありません。

EV電池とリサイクルのソリューションの状況についてのより詳細な情報は、FUSO Green Labの過去の記事からご覧ください

植物が差し出す救いの手!

持続可能な未来のために乗り越えるべき重要な課題は、環境負荷が最小で、再生およびリサイクル可能なソリューションを見つけることにあります。EV電池の領域で、大きな可能性を秘めたソリューションが表れ始めています。考えてみてください。そうです、植物です!

ここでは、近い将来にリチウムイオン電池に混乱をもたらす可能性が最も高い、植物由来のソリューションを3つ紹介します。

ヘンプによるEV電池

ヘンプによるEV電池

 

ヘンプ由来の材料は非常に多くの用途で使われるようになっています。その用途には飲料、オイル、洗剤などがあります。家具、内装の自動車向け複合材料などの製造業、さらにはエネルギー、燃料業界でも応用されています。

驚きなことも!SpringerはSustainable Agriculture Reviewsの中で、「ヘンプ由来の材料は、化石燃料由来の材料、用途の代替として実際に適している」と結論付けています。

この主張を次のレベルへと進めているのが、テキサス州のスタートアップBemp Research Corporationです。同社は、ヘンプとリチウム硫黄電池の技術を用いた代替リチウムイオン電池に取り組んでいます。

同社の創設者Son Nguyenは、同社の LiS/B4C-ヘンプ電池のリチウムイオン電池に対する優位性についてEnergy Techのインタビューで以下のように語っています。

「私たちの扱う化学作用では、ニッケルやコバルトなどの重金属の代わりに、軽量で資源量も豊富な硫黄、ホウ素、炭化したヘンプなどの材料を利用しています。LiS/B4C-ヘンプ電池は、大型トラック、電動飛行機に適したものとなるでしょう」

LISは硫化リチウム、B4C-ヘンプはヘンプから作られる炭化ホウ素のことです。

ヘンプを電池に利用するという考えは決して新しいものではありません。この分野の研究は2013年に始まり、電池用スーパーキャパシタ開発におけるヘンプの可能性が特定されました。ヘンプは強固な性質を持ち、収量も多く、産業応用も可能なことから、その生産に再生の動きが起きています。Springerによると、その生産量、輸出量は中国が最も多く、30か国以上で生産されているということです。

木材からの持続可能なEV電池

木材からの持続可能なEV電池

電池の内部では、アノード、カソードという2つの部材を通して電流が流れます。EV電池では、アノードに炭素が必要です。

リチウムイオン電池では、一般にアノード材料はグラファイトに依存しています。みなさんの推測の通り、グラファイトの需要は急上昇しています。欧州と米国は、グラファイトは供給が危機的な材料であるとさえ述べています。さらに、グラファイトは、EV電池の電池セル部品からのCO2排出で主要な排出要因となっています。

この点で、持続可能なソリューションへの転換は間違いなく受け入れられるでしょう。そして、ソリューションの元となるのが、植物です!

フィンランドの企業Stora Ensoは、木のリグニンからのアノード材料の供給に取り組んでいます。おそらくご存じないとは思いますが、リグニンは植物の細胞、細胞壁、そして全ての維管束植物の細胞の間に存在します。リグニンによって、植物の内外への液体の流れが可能になっています。

基本的には、みなさんが野菜を食べたときのあの歯ごたえはリグニンのおかげです。

さらに、Stora Ensoがアノード材料に使うリグニンは、パルプ処理の副産物由来です。したがって、持続可能な電池材料を生産することで、必要な木の収穫量が増えるわけではありません。むしろ、既に処理されている木から付加価値が生まれることになります。

韓国研究財団が支援する研究では、下記のようにリチウムイオン電池の次の技術には、リグニンの利用が鍵になるのではと示唆されています。
「もし部分的に(合成)部材をリグニンのような持続可能な材料に置き換えた場合、エネルギー貯蔵、またはEV技術はよりグリーンになります。その結果、リグニンは充電池利用のために加工、リサイクルされることとなり、機械安定性、イオン伝導率、熱安定性、酸化還元活性な材料の貯蔵、金属イオン貯蔵の改善に大きな可能性を示すことになります」

今日のリチウムイオン電池へのとどめの一撃デュアルカーボン電池のコットンとバイオマス!

デュアルカーボン電池のコットンとバイオマス


研究者により、植物由来のリチウムイオン電池向け新材料が継続して見つかっています。

Noveron research group,によると、バイオマスを用いた方法により、より軽量で、再生、再使用、リサイクル可能、さらに使用寿命が長い新世代のリチウムイオン電池が作成できるということです。日本のスタートアップPJP Eyeは、大変革をもたらす可能性のあるもの、植物由来のデュアルカーボン電池に取り組んでいます。同社はすでに概念の実証まで技術を進めています。

デュアルカーボン電池とは何ですか、と質問される方もいるかもしれません。簡単に言うと、アノード、カソード両方に炭素を使った電池のことです。そのため「デュアル」なのです。

さて、何が重要なのでしょうか?

希少金属およびグラファイトの需要の急上昇、リチウムイオン電池のリサイクルインフラの不完全性がある中で、持続可能なソリューションはEV市場成長の扉を開く可能性を持っています。

デュアルカーボン電池は1989年に初めて特許が取得されましたが、当時はデュアルグラファイト電池として知られていました。長年にかけて、費用効率が高く、信頼性のある電池を作成するため多くの技術会開発が進んでいます。飛躍的な進歩も出始めています。

PJP Eyeのデュアルカーボン電池は、高電圧で、コットンと農業廃棄物の両方を活用しています。また、この電池は、商業用のリチウムでできた電池よりも10倍速く充電でき、現代のEVの平均走行距離を 500 km (300 miles).にできる可能性を持っています。現在の平均走行距離は、 375 km (234 mi)です。PJP EyeはEV向けに2025年までの量産を目指しています。そして、ここでいうEVは、なんと船舶や飛行機も対象にしています。

Net Zero Technology Centerが指摘するように、環境的な利点は非常に大きいなものとなるでしょう。「包括的なライフサイクル分析の後、PJP Eyeは、電池使用の15年の時間幅全体で比較すると、1メガワットのエネルギー貯蔵当たりに排出されるCO2は、同社電池で1トン、従来のリチウムイオン電池で30トンになることを突き止めました。これはCO2排出量97%削減にあたります」

非常に見込みがありそうですが、デュアルカーボン電池が評判通りのソリューションであるかどうかは、今後明らかになっていくでしょう。

植物で走る車はいつから利用可能か?

植物で走る車はいつから利用可能か?

新しく、わくわくするものでは何でもそうですが、値段はいくらか、いつから利用できるかは、誰もが知りたい情報です。ぐっとこらえてください!ローマは1日にして成らずです!

新しい破壊的技術にとって大きな障壁となるのが、大規模な実行を支援するインフラの開発です。さまざまな材料からなる電池については、実現性のあるサプライチェーンおよび生産設備の構築に時間がかかるでしょう。その後にも、定評のあるリチウムイオン電池製造業者との厳しい競争にも直面することになります。

古くから存在する基本的な経済面の課題もあります。自分の車へ電気を供給するのに、消費者はどの程度お金を使うでしょうか?

走行距離が伸びる、充電時間が早まるという新たな利点は、間違いなく持続可能性にさらに花を添える大きな魅力です。そして実際、植物よりグリーンなエネルギーなんてあるでしょうか?

デュアルカーボン電池は現在大きな話題となっています。2022年から2027年の間の複合年間成長率が9%になりうるとの予想もあります。

「上記予測期間にデュアルカーボン電池市場を後押しすると予想される要因は、急速充電能力、他の電池と比較し安価な製造費、100%リサイクル可能な特徴を持つ環境への優しさです」とMordor Intelligenceは述べています。

EV市場の成長が継続することで、より安価で持続可能なソリューションにとっての大きな機会が創出されることになります。

EV電池市場は、植物にとってまさに実りの市場のようです!

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