Alternative Business Models: Where People and Planet Matter
循環型経済

パート3:新しいアプローチ

利益と目的の統合には、身近な課題に対しても全く新しい見方が必要となることが少なくありません。

ここで、従来とは異なるプラットフォーム、アプローチ、ビジネスモデルが、人間と地球の両方のためになるように機能した一連のケーススタディをご紹介します。

 

JANALAKSHMI

社会貢献型ビジネスの取り組み

あるマイクロファイナンス機関が、都市貧困層のあらゆる資金需要の全領域対応サービスプロバイダーとなりました。

マイクロファイナンス機関から総合的なサービスプロバイダーに転身インドにおけるマイクロファイナンスモデル

2050年までには、8億人以上がインドの都市部に住むことになります。この成長のかなりの部分は、低収入で厳しい労働条件の下で働く、農村から移住した人々によってもたらされることになります。野菜行商人と花売り、大工と配管工、運転手と整備士、家事手伝いと美容師など、こうした非正規労働者の需要は正規雇用者とは大きく異なり、生活環境はほとんど変わらないままとなります。

1999年にSwatiとRameshのRamathanathan兄弟がそれぞれの外国銀行キャリアからインドに戻ると、そうした非正規労働者全員の希望、願い、課題に耳を傾け始めました。預金口座、健康保険と生命保険の契約、教育ローン、年金、退職金積立制度、さらには、自分の零細企業を成長されるための資金援助までもが必要とされていました。正規の銀行制度では、これらはどれも手に入らないものでした。Janalakshmiは、これらすべてを意識した上で、マイクロファイナンスの垣根を超えて「都市貧困層のすべての需要を満たす360度金融サービス会社」となることを決めました。

全領域対応サービスプロバイダーへの移行は、2層構造をとることで可能となりました。グループ内の営利企業が、投資家からの資金調達によりフルサービスの金融機関として運営される一方で、非営利団体は、インクルージョンの課題への理解を深め、政策課題に取り組み、顧客による繁栄への道の改善を支援するプロジェクトを進めています。

SAFETIPIN

クラウドソーシングによる地図ベースアプリファミリーで、地域社会と都市を女性にとってより安全なものとすることに取り組んでいます。

 クラウドソーシングによる都市安全データの提供スケーラビリティはクラウドソーシングによるデータ生成にあり

ジェンダー問題と都市化問題の専門家であるKalpana Viswanath氏が、公共空間における女性の安全に取り組むというミッションと新規技術を融合するために、2013年にSafetipinを設立しました。Safetipinは、インドの女性のために、安全ではない公共の場所を互いに特定する支援となるオンライン参加プラットフォームを開設しました。その中心にあるのが、照明と混雑のレベルから安全な公共交通機関の近さまでさまざまな要素を比較して、安全性と包括性の相対レベルに基づき公共空間の評価と格付けを行う安全「監査」です。

スケーラビリティはクラウドソーシングによるデータ生成にあり

このアプリの拡張性の威力は、クラウドソーシングによるデータ生成にあります。エリアの調査を担当者に委ねるのではなく、ユーザーデータに基づき監査が行われた後、訓練を受けた監査員と別ユーザーによって検証が行われます。この取り組みにより、安全な空間に対する共通理解と想像力は、それを利用する女性たちによって共創可能かどうかについての議論が始まりました。最終的には、データを活用して公共空間の実際の設計と安全性を合理的に向上させることで、デジタル空間を利用して、女性にとってより安全な都市を物理的に建設します。

SELCO

農村部のエネルギーアクセスについてのよくある俗説を覆すことによってインドの電化を進めている組織グループです。

インドの農村部におけるエネルギーアクセスインドの農村に電気を供給する

広大な陸地があり年間平均晴天日数が300日のインドには、何十倍ものクリーンな太陽光発電を全国に供給できる理論的可能性があります。ところが、最近まで太陽光発電は影も形もありませんでした。貧困層にはサステイナブル技術を購入して維持するだけの余裕はなく、太陽光分野の社会的ベンチャー事業は営利団体として運営できないという一般的認識がありました。

こうした誤解を正してエネルギーを利用することを目的として、健康から教育に至るまであらゆる種類の進歩を刺激する機関として、SELCOが1995年に設立されました。従来とは異なるモデルの鍵は、貧困層を受益者としてではなく、パートナーや企業オーナーとして考えることにありました。電化を必要とする人々に潜在的協力者としてアプローチすることで、短期的のみならず将来的にも経済的安定性と社会的安定性を提供する、包括的でサステイナブルなソリューションとして、組織の構築が可能となりました。

SELCO社、インドで家庭用太陽光発電製品を提供

規模拡大の最大の障害は、直面し、解決しようとしている数多くの草の根問題を理解してそこから学ぶことが可能なエコシステムの欠如であることを数年のうちに発見しました。これの克服のために、反復可能な社会的イノベーションを創造するオープンソースの非営利団体として、SELCO財団が2010年に登記されました。慈善資本で増強された営利ビジネスにより、SELCOのハイブリッドモデルは、高リスクの技術的イノベーションとエネルギーエコシステムのギャップの橋渡しに成功し、サービスが不足していた地域社会が全く新しい消費者ベースとなりました。

皆さんの地域では、どのようなソーシャルイノベーションに出会いましたか?モビリティ業界に適用できる類似のコンセプトはありますか?

FUSO Greenlabのコメント欄で、あなたの考えを共有してください。

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