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#バンライフ!面白くて人気のある6台のボックストラック改造車
路上でボックストラックを目にしない日はありません。ボックストラックとは貨物用の閉鎖スペースを備えたシャーシキャブトラックで、主としてサプライヤーや配送サービスに使用されます。さまざまな業務に対応できるように形状とサイズは千差万別です。
トレーラーがなく燃費と機動性に優れているため、商品を集積拠点から各顧客に届けるラストワンマイル配送に適し、狭い道や混雑した道路でも運転しやすくなっています。
ボックストラックの利便性に気づいているのは企業だけではありません。車をさまざまな用途に改造するDIY愛好家の間でボックストラックは注目されています。
この記事では、面白くて人気のある6台のボックストラック改造車を紹介します。三菱ふそうは改造を推薦しませんが、車の所有者の自由と創造性を認めています。改造は人気があるため、メーカー各社は別用途の需要に次のような対応をしています。
1.ボックストラックRVへの改造
信じられないかもしれませんが、ボックストラックRVが流行っています。Googleで「バンライフ」を検索すると、750万件近い結果と大量のハウツー動画がヒットします。
その理由は難しくありません。ボックストラックは過酷な環境での使用を想定して作られた、極めて耐久性の高い車です。それでいてRVに比べれば安価です。eBay Motorsでさっと検索しても、5,000米ドル未満の物件がいくつかヒットします。
最大の魅力の一つはDIYの一面にあると思われます。車いじりの得意な人が改造したボックストラックには本当に驚かされます。
ボックストラックRVは、特に車中泊の場合、従来のRVよりバンで過ごす方が目立たないと考えるデジタルノマドにとっても魅力的です。
とはいえ、DYIで改造した場合、保険が問題になる可能性もあります。保険会社は自分で改造した車に対して補償を拒否するといわれています。
改造車の人気にあやかり、キャンピングカーの生産を始めたトラックメーカーもあります。
三菱ふそうのブログ「ふそうライフ」では、そのようなモデルの一つとしてFUSO FG 140 4x4を紹介しています。世界一周ツアーでバハ半島を旅するユーチューバーのカップル、ベンとレベッカ・パズデルニクを取り上げた記事です。
三菱ふそうの親会社、ダイムラー・トラックもこうした需要に対応しています。同社は中国で、いわゆる「高級キャラバン市場の急成長」に対応するため、Mercedes-Benz Trucksを通じて、ArocsシリーズというトラックシャーシからRV製品を開発しました。
2.モバイルレストラン
廃車したボックストラックが移動式フードサービスで第二の活路を見出す事例も増えています。理由の一つは、従来型レストランよりフードトラックビジネスを開業する方がずっと安上がりだからです。
あるスモールビジネス専門家によると、フードトラックビジネスの開業に必要な平均コストはおよそ55,000米ドルとされています。ただし、その金額は国や地域によって大きく異なり、車両に必要な改造、認可、保険に左右されます。
フードトラックは人気が高まっており、ストリートフェアや沿道のビストロでよく目にします。それに伴い、この業界は2017年から2022年の間に14%近く成長しました。パンデミックがビジネスに影響を及ぼす中、モビリティは移転ができて適応性が高いという点で従来型レストランに対する優位性を示しました。
アメリカの引っ越しトラックレンタル会社U-haulは、廃棄設備をモバイルカフェに改造し、自社のブログで紹介しています。
三菱ふそうでは、自社のソーシャルメディアチャンネルで三菱キャンターのオーナーを取り上げ、彼がカフェに改造したキャンターを紹介しています。なんと、そのキャンターは夕方になるとバーに変身するそうです。
3.アート展
オンライン国際アートプラットフォームColossalは、14フィートボックストラックがモバイルアート展に変身したという面白そうな記事を特集しました。
アーティストのカレドニア・カリー (Caledonia Curry) は、ボックストラックをジオラマ風の野外彫刻に改造して、ニューヨークをあちこち旅しました。ボックスが開くと、玄関口の階段やソファー、三角屋根につながる階段を備えた豪華な家が現れます。
「私たちの家族が建てた家」と題したこの展示では、家庭的な風景の中で人々の肖像画やライブパフォーマンスが披露されました。
それほど極端ではない例としては、米国を拠点とする写真家ケビン・ダウリング(Kevin Dowling)が、引っ越しトラックの後部にロープやクリップ、ライトで急ごしらえのモバイルアートギャラリーを設営しました。彼は自分の作品を売るために印刷物を掲示し、人気のあるバーの前にトラックを駐車しました。
そして幸運にも (創意工夫もあって) 20,000米ドル相当の写真を売り上げたのです。
4.温室
1台のボックストラックが、一度ならず二度、ユニークな改造を施されました。あるポテトチップス配送トラックは、廃車後、ボックスに大きな窓を取り付けた移動式アートギャラリーとして第二の活路を得ました。そのプロジェクトが終わり、使われなくなったトラックを見たとき、大きな窓が農家のジャスティン・カッター(Justin Cutter)の注意を引きました。
温室にぴったりだと思ったのです。そこで彼はそのトラックを買って改造し、ガーデンボックスや植物を乗せました。彼はこの移動式温室を運転して全国を周り、問題を抱える若者に農業の指導をしました。
農業会社AppHarvestも、ボックストラックを移動式温室に改造しました。同社は移動式温室を自社の宣伝に利用しましたが、それが屋内農業の利点と市街地で農業を営む可能性を人に伝えるユニークな方法だと感じています。
5.コンサートホール
二人のピアニスト、ニック・ルビー(Nick Luby)とスーザン・チャン(Susan Zhang)は、漆黒の16フィートボックストラックをいわゆる「照明・音響システム・ピアノをフル装備した移動式コンサートホール」に改造し、2016年にコンサートトラックを開始しました。
このプロジェクトの目的は、誰もが音楽に触れることが出来るようにすることでした。コンサートトラックは、全米各地の街頭、学校、フェスティバル、近隣地域、公園など、さまざまな場所で音楽を提供しています。
「大抵の人はカーネギーホールで演奏したいと思っています。私たちは車輪の上で演奏したいのです」とニックはプロモーションビデオで述べています。 「私たちはクラシック音楽をホールから取り出し、みなさんに届けます。コンサートトラックは、素晴らしい音楽の共有体験を通じて、社会の各方面の人々を結び付けます」。
6.地震シミュレーター
日本はいろいろな理由で有名ですが、残念ながら地震もその一つです。日本は世界有数の地震多発地帯です。
2011年の東北大震災の後、地震シミュレーション車が登場しました。ご察しのとおり、ボックストラックシャーシを利用したのです。人々が地震を直接体験できるようにとの考えでした。これらのモバイルシミュレーターが全国を巡回することで防災対策を推進できます。
ほかにもボックストラックのすばらしい改造例があれば、ぜひお知らせください!独創的あるいは持続可能なトラックの利用方法をご存じのみなさん、ご連絡をお待ちしております!以下にご意見を記載してください。
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