
気候保護と大気質
都市渋滞
巨大都市での停滞
世界中の都市がアーバンモビリティの幾何学的限界に達していて、かつてないほどの混雑が発生し、健康と安全への懸念から経済的不平等の鮮明化に至るまで、あらゆる種類の社会的不公平を引き起こしています。
都市部のラストマイル配送に対する需要は2030年までに80%近く伸びて、世界の上位100都市では渋滞が21%、排出量が33%増加するものと予測されています。
World Economic Forum, 2020
国連によると、2050年には世界人口は100億人弱となり、その70%近くが急速に成長する都市部に住むことになります。1950年には、その割合は30%でした。マニラでは、毎日通勤に要している時間の平均は現在90分です。バンコクでは3時間となります。世界中の都市は、サイズと規模がかつてないほど急速に拡大していて、多くの国では、都市部ですでにインフラの限界点に達しています。
しかし、抑制されていない渋滞は不便なだけではありません。アーバンモビリティによる環境影響を激化させ、排出量の増加、空気質の低下、公衆衛生の危機を引き起こしています。モビリティ利用の不平等が一層拡大し、経済的に恵まれない人々の機会が奪われています。失敗した都市計画のコストを市民が負担し、生活の質は低下しているにもかかわらず、都市生活のコストが増加しています。
そして、これは下り坂となる一方です。世界経済フォーラムの最新レポートによると、都市部のラストマイル配送に対する需要は2030年までに80%近く増加し、世界の大都市では配送車両が36%増加するものと予測されています。レポート執筆者は、効果的対策が講じられなければ、電子商取引需要の直接的な結果として、渋滞が21%、排出量が33%増加すると予想しています。WEFモビリティ部門の責任者であるChristoph Wolff氏は、 「電子商取引配送による渋滞と排出量は、すでに都市の交通パターンにストレスをかけています。この圧力は、都市と企業の双方が効果的対策を速やかに行わない限り、需要の高まりによって強まる一方でしょう」と語っています。
これを避ける方法はありません。私たちの世界の未来は都市です。さらに、混雑した都市では、市民生活の(経済的、社会的、環境的、物理的)コストが増加します。これは、私たちの行為主体感、自由、機会が低下しているのと同じことです。ちゃんと機能して、住みよい現実を大多数の人類に約束するのであれば、都市の渋滞度を減らすための措置を直ちに講ずる必要があります。
人口増加が都市にかけている重圧に加えて、電子商取引注文による迅速な翌日配送に対する需要が高まっています。毎日150万個の小荷物が配送されているニューヨークでは、一般家庭への配送が商用配送を初めて上回りました。そのため、かつては頻繁には通らなかった地域にまでトラックが入り込んでいます。その結果、マンハッタンで最も渋滞が激しい地域では、車の走行速度が2010年代初頭より23%遅くなり、1990年以降、乗用車やトラックによる大気汚染が27%増加しました。
同様に、あらゆる種類のモビリティサービスのプラットフォーム化によっても、交通状況は改善されずに、悪化するものと一般的に考えられています。テクノユートピア的交通手段の発祥地であるサンフランシスコでは、2010年から2016年までの間に増加した渋滞の3分の2が、UberやLyftなどの配車アプリで占められていることが、研究者により明らかとなりました。同様に、ナビゲーションアプリについても、その使命が交通渋滞の解消であるにもかかわらず、解決しているより多くの問題を生み出していると一部の専門家は考えています。
これを避ける方法はありません。私たちの世界の未来は都市です。さらに、混雑した都市では、市民生活の(経済的、社会的、環境的、物理的)コストが増加します。これは、私たちの行為主体感、自由、機会が低下しているのと同じことです。ちゃんと機能して、住みよい現実を大多数の人類に約束するのであれば、都市の渋滞度を最小化するための措置を直ちに講ずる必要があります。
混雑の原因や影響を軽減するために、社会や産業界でどのような取り組みができますか?ラストワンマイルの物流をより効率的にするために、どのようなビジネスモデルやイノベーションが考えられるでしょうか?FUSO GreenLabのコメント欄で議論に参加してください。
Other Articles
トラックドライバーにとって最大の職業的課題は疲労、FUSO GreenLabの新たな調査で判明

パート3:新しいアプローチ

産業用ウェアラブルの主な利点と実例

三菱ふそう、初のピッチイベントを開催。17社と個別面談を実施、数社とさらなる検討へ
