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トラックドライバーにとって最大の職業的課題は疲労、FUSO GreenLabの新たな調査で判明
FUSO GreenLabが10月に実施したLinkedInの新たな調査によると、運転疲労がトラックドライバーの最大の課題に挙げられました。
この調査で参加者に提示された4つの大きな課題は、運転と配達のスケジュール、運転疲労、健康と食事、駐車場不足です。回答者534人のうち、最多の44%が運転疲労を選択しました。
調査に参加したアイーダ・セルベラ氏 (メキシコの知的所有権を専門とする弁護士) は、運転疲労の主な原因の一つとしてドライバーへの過度な要求を指摘しています。
「よく知られていることですが、私たちの国では、ドライバーは雇用主や請負業者から過剰な乗車要求に応えるべきという圧力を受けています」。
彼女は、こうした強迫の原因として、食生活の乱れ、休養不足、薬物乱用、交通違反、劣悪な環境での運転を挙げています。
これらは普遍的な問題です。
別の回答者は、「特にインドでは配達スケジュールの影響で運転疲労 (問題) が発生しています」とコメントしました。
調査結果は「予想どおりに有益なもの」と考えられました。
カナダ政府が実施したワークショップでも、運転疲労がトラック部門で最大の安全衛生リスクに挙げられています。
運転疲労とはどのようなものですか?
ウィキペディアの定義によると、運転疲労は「居眠り運転」とも言われ、「睡眠不足で認知機能が低下した状態のまま自動車を運転すること」とされています。
運転時間の規制は国や管轄区域によって異なりますが、疲労運転は依然として業界全体の問題です。
米国運輸省によると、警察が報告した9万件を超える衝突事故は疲労したドライバーによるもので、その結果、5万人が負傷、800人近くが死亡しています。また、米国疾病管理センターは、死亡事故の5件に1件が運転疲労によると報告しています。
カナダでは、オンタリオ州で警察が報告したトラック事故の20%は運転疲労に起因することが、運輸省によって明らかにされました。
欧州運輸労働者連盟の報告によると、トラックドライバーの3分の1が居眠り運転をしたことがあると回答しています。
危険
反復的な運転条件で長時間連続して運転すると、トラックドライバーは特に疲労しやすくなり、注意力や集中力、意思決定能力が低下します。
これが認識時間と反応時間に影響します。ドライバーがブレーキをかける必要性を認識するには約3/4秒かかります。アクセルペダルからブレーキペダルまで足を動かすのにさらに3/4秒かかります。
疲労したドライバーは反応がさらに遅くなりがちです。
車両の速度と上記の2つの要因によって、車両の停止距離が決まります。停止距離が長くなるほど事故の可能性は高まります。
トラックドライバーが疲労する一番の理由は何ですか?
産業衛生学が発表した日本の調査によると、トラックドライバーの疲労度が最も高いのは、予想どおり夜間と早朝の運転時間帯です。
報告書では、「睡眠の質と量の低下は、トラックドライバーにとって健康障害や過度の疲労の場合と共通の危険因子かもしれない」として、次のように結論づけています。
「夜間や早朝の仕事量を制限して夜間運転の負担を軽減し、睡眠の機会や余暇活動のため休日を確保できるように、適切な措置を講じる必要がある」。
2020年にカナダ社会基盤整備安全衛生協会 (Canadian Infrastructure Health and Safety Association) は、トラックドライバーの疲労の根本原因を究明するため、運転手、監督者、雇用者、業界関係者との2日間のワークショップを実施しました。
そこでは66の原因を特定した後、それらを5つの要点に絞り込んでいます。
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交通状況
これには、道路閉鎖、遅延、工事区域、道路設計、インフラストラクチャなど、さまざまな制約が含まれます。
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健康
職業ドライバーは、健康的な食品を選ぶことが難しく、規則的な睡眠や休息もとれず、身体を動かすことが長時間制限され、辛い思いをしています。
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ワークライフバランス
これには、納期を守るべきという重圧による全体的なストレスが含まれます。また、不規則な労働時間は睡眠サイクルを乱し、安全運転に支障をきたします。
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単調な運転
単調な景色が続く高速道路の長時間走行は眠気を誘います。天候が悪ければなおさらのことです。連日の運転もドライバーの体調に累積的な影響を与え、疲労を倍増します。
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訓練不足
免許要件は必ずしも、ドライバーに仕事や安全運転に必要な技能を提供するとは限りません。疲労と直接の関係はありませんが、技能不足のドライバーが疲れた状態で運転すれば危険性は高まります。
業界では運転疲労を防止するために何をしていますか?
トラック運送会社には、自社ドライバーの疲労管理計画が必要です。
その第一の目的は、商業車安全連盟によれば、リスク管理手順を設けることです。
「これらの手順は、全車両に対して、疲労に関する安全目標の達成に必要なツールと手順を設ける」ことで、リスクが確実に特定、査定、管理、評価されるようにします。
このような計画には、移動スケジュール、必要な休憩時間、ドライバーが運転に適しているかどうかを検討する方法、安全衛生を監視するシステム、危険と事故を報告する枠組み、リソースと訓練など、よく知られている政策がすべて含まれます。
計画には疲労に関するデータの収集も含まれます。多くの企業は、勤務時間を記録する電子ログ装置の使用が義務付けられています。また、GPSデータを使用して運転時間や休憩時間を追跡しています。
ドライバーの状態を監視し、休憩が必要なことを配車係に知らせるスマートカメラが装備された車両もあります。
ポリシーを超えて
実際の苦労を完全に説明できるのはトラックドライバー自身です。
「どうしたら1日に何時間も疲れずに運転できるのか?」 トラックビデオブロガーのトラビス・キンリー氏は大げさに問いかけます。
キンリー氏の場合、休息をとるのも簡単ではありません。
「休息は (シフトの合間の) 10時間しかないんだよ。シャワーを浴びて食事をする。それで2時間が過ぎるよね。寝る気にはならない。家族と話したい。TVを見たい。とにかく、ただ眠りたくないんだ。寝坊せずに起きれば疲れるし、眠れば遅刻する、そのどちらかさ」。
運転疲労の対処法に関するET Transportのビデオは、窮余の眠気対策を紹介しています。その助言の中には、好きでない曲を大声で歌ったり、寒冷期に窓から指を出したりすることもあります。
どちらのビデオブログも、ポッドキャストやオーディオブックを聴く、食事を少なめにする、糖分や炭水化物を避ける、休憩施設で活動的に過ごす、といった実用的アドバイスを提案していますが、課題は残ります。
問題の解決
セルベラ氏によると、トラックドライバーの疲労を克服するために最も役立つ方法は、労働条件の改善です。
「私はトラック運送従事者に会って、彼らの経験を聞かせてもらいました」と彼女は語ります。「国内のトラック業界が大きく改善することを願っています。ほかの国のトラック業界も間違いなく同じような問題に直面していますから」。
雇用者の視点に立つと、条件を改善して疲労に対処すれば、ドライバーは働きやすくなり、ドライバーの定着率の向上、配達の効率化、事故の減少、顧客満足度の向上につながります。
つまり、トラックドライバーへの追加支援になります。健康的な睡眠パターンに配慮したスケジュール調整や経路の最適化は、ほんの始まりにすぎません。
トラックドライバーの疲労を解決する唯一の最善策は何だと思いますか?この長年の問題をテクノロジーやロジスティクスによって解決する方法はありますか?ご意見を聞かせてください。お待ちしています。
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